算数・数学の自由研究 入賞のコツ

算数・数学の自由研究は数学をテーマにした全国規模の自由研究コンクールです。
入賞のコツはどうなっているのでしょうか!?

基本情報

まずは基本情報をチェックしましょう!

対象全国(海外を含む)の小・中・高生
テーマ日常生活や社会で感じた疑問を算数・数学の力を活用して解決する,あるいは,算数・数学の学びを発展させて新たな数理的課題を探究する中で,気づいたことやわかったこと,自らの解決の方法など
応募期間8月中旬〜9月上旬
応募方法A4判(縦)の用紙(片面)で5枚以内 (中高生は10枚以内)
審査プロセス地域ブロック→中央審査
賞と副賞賞状と記念品

対象

対象は全国(海外を含む)の小中高生です。
2024年の第19大会では合計15,570件の応募がありました。
かなり大規模な大会になります。

テーマ

  • テーマは自由です。
  • 日常生活や社会で感じた疑問を算数・数学の力を活用して解決する,あるいは,算数・数学の学びを発展させて新たな数理的課題を探究する中で,気づいたことやわかったこと,自らの解決の方法などをレポートにまとめてください。

数学、算数の力を活用していればOKとのことなので、テーマの範囲としてはかなり広いです。

実験を行い、統計的手法でまとめるなどしていれば出すことが可能です。

特に、算数・数学が大好きな生徒さんは数学そのものについて研究するのもありだと思います。

応募期間

8月中旬〜9月上旬で応募可能です。

締切が9月上旬なので、夏休み中に大方まとめきっている必要があります。

応募方法

  • A4判(縦)の用紙(片面)で5枚以内 (中高生は10枚以内)

とあります。

枚数はあまり多くないので、簡潔に図表をうまく使いながらまとめていく必要があります。

審査プロセス

地域ブロック→中央審査の順で審査が行われます。

中央審査の審査委員は大学の教授人が大半です。

着眼点に桑家、統計的な手法を適切に使うことができているかが、入賞の鍵になりそうです。

賞と副賞

点数副賞
最優秀賞各部門から1作品+全応募作品から2作品賞状と記念品
優秀賞全応募作品から4作品賞状と記念品
特別賞全応募作品から最大4作品賞状と記念品
奨励賞各部門から最大10作品賞状と記念品

部門は以下の4部門に分かれます。

  • 小学校低学年の部
  • 小学校高学年の部
  • 中学校の部
  • 高校の部

全応募作品から選ばれる優秀賞などは小学生から高校生まで一緒に評価されますが、受賞の結果を見ると高校生が有利というわけではありません。

高校生たちはかなり専門的な研究をしていますが、着眼点などが良ければ小学生が受賞することも多いです。

受賞作品

私の学習相対性理論(小学校低学年の部最優秀賞)

アインシュタインの伝記をよんだことで相対性理論について興味を持ち、「楽しい時間はあっという間だけど、つまらない時間は長く感じる」と日常における相対性理論に近い感覚に注目した研究。

勉強記録をつけ、50分経ったと思ったらタイマーをおし、感覚の50分と実際の時間を計測した。
勉強していた時の気持ちを「簡単・楽しい」か「イライラした、疲れた、難しい」のどちらかに分類し、ポジティブな感情があった時とネガティブな感情があった時とでの体感時間の違いを比較した。

結果、楽しいと思った時間はあっという間に過ぎるので50分かと思っていたが平均約1時間になっていること、つまらないと思っていた時間は50分経ったと思っていたが実際は約32分しか経っていなかったことなどの結果が出た。

しっかりと仮説を立てて、大量のデータ(ほぼ夏休み全部の勉強記録)をとり、平均を出してグラフにするなど数学的手法がしっかりとできていた作品でした!

最近の音楽が同じように聞こえる謎を算数で解明!(小学校高学年の部最優秀賞)

父に「最近の曲は同じような曲ばかりだなあ」と言われたことをきっかけになぜそう思ったかを追求した研究。

2023年、1993年、1963年のベストヒット3曲を対象に歌詞の文字数・カタカナ(英語)の数・記号の数・音部数・音階の差の合計・小節数・最高音と最低音の差のデータを取り比較しました。

きっとこれらは手作業で行われていてかなりのデータ量ですが、きちんとまとまっていました。ここがまずすごい!

結果として、2023年の音楽は文字、音符、音階の差が最も大きいことがわかりました。

さらに、最近の曲は同じメロディーの繰り返し部分が多いことも発見しました。

最後に、曲ごとに世代の平均と比較し、ばらつきを検定しました。
1993年の3曲についてはばらつきがほぼなく、同じような音楽ということがわかったそうです。

とにかくデータ量がすごい、合計9曲の楽譜と睨めっこしてデータを取得している根性にあっぱれだと思いました。
そこから、平均値やばらつきなど算数・数学要素をうまく入れて音楽を算数で評価するというところにうまく落とし込めていたと感じました。

+αですが、この時審査員に中嶋さち子さんという方がいらっしゃいました。
書籍に「ヒット曲のすごい秘密」というものがあり、審査員うけも良かったことが伺えます。

色々な食品の価格のばらつき (優秀賞)

スーパーやコンビニなどで同じ食品でも値段が違うことに気づき、食品ごとの違いを比較した研究。

この研究で優れていたことは比較の方法です。

ただ単縦にばらつき(各食品の平均との差)を比較しただけでは元の平均の値段が違うことから正確な比較ができません。
そこで割合を使って、何%ばらついていたかで比較することで食パン、スライスチーズ、バナナはばらつきが大きく、シャケ、板チョコなどはばらつきが小さいことがわかりました。

入賞へのアドバイス

評価ポイントは以下の3つになっています。

  • 日常生活や社会で感じた疑問,あるいは算数・数学の学びを発展させた数理的課題から,研究したいテーマを見つけているか。
  • 算数・数学的な見方・考え方を活用して創意ある研究を行っているか。
  • 研究で気づいたことやわかったこと,自らの解決方法などを,レポートにわかりやすくまとめているか。

特に大事なのがテーマの独自性。
自分の日常に関係のあるテーマか、生活の中で感じた疑問をうまくテーマにしている作品が高評価を得ています。

その種に対して統計的なアプローチが取れているか。
算数と数学の自由研究ということで、評価の仕方にも大きく注目する必要があります。

まずはたくさんのデータをとること。
上記で紹介した研究はどれも自分でたくさんのデータを取っていました。
統計的手法で評価するにはデータの量はとても大切になります。

その上で、平均やばらつき(専門的には分散だったり標準偏差だったり言います)をしっかり評価できているかが鍵になります。

最後にA4用紙5枚に綺麗にまとめられるかどうかが鍵になります。
図や表をうまく使いながら、実験の結果を伝えられるようにしましょう。

レベル感としてはシゼコンのように何年もかけた研究じゃないと入賞できないということはありませんが、応募総数が多いので入賞するにはそれなりのクオリティが求められます。
夏休みの宿題として1〜2ヶ月しっかりやれば入賞も狙うことができます。

統計的手法に関しても発信する予定なのでこのブログで学んでください。
小学生でもわかるように説明していきます。

チャンスは全員にあります、ぜひチャレンジしてみてください!

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